計画的偶発性人生への道標

大学・大学院で【ゲーム理論】を学び、【キリマンジャロ登頂(5895m)】や【24時間山岳耐久レース(ハセツネ)】では悟るも直ぐに煩悩に悩まされ、【戦略コンサル(ひよっこ)】では容量悪く苦戦するも周りの超優秀なメンバーに恵まれ、【起業】においては各界のプロフェッショナル達におんぶにだっこで何とか生き延びている、そんなちょっぴり人と違う人生を歩みつつある筆者が、日々考えたことを自分なりの視点でまとめていきます

計画的偶発性理論

"計画的偶発性理論"は、日本ではあまり聞きなれない言葉であるが、私が大事にしている価値観の一つなので、このブログの最初の記事として筆を執ることにする。

定義について、Wikipediaには下記の様に記載されている。

計画された偶発性理論(英語: Planned Happenstance Theory)とは、スタンフォード大学のジョン・D・クランボルツ教授が提案したキャリア論に関する考え方。

個人のキャリアの8割は予想しない偶発的なことによって決定される。その偶然を計画的に設計し、自分のキャリアを良いものにしていこうという考え方。

振り返って、 自分の周りの人たち(特に幸せそうな)を見てみると、今の彼らを作っているのは計画されたキャリアパスの結果ではない。緻密な計画よりは寧ろ、大胆さ、柔軟性が今のポジションを築いたと思われる。

そもそも、"キャリアパスの構築"という概念自体が、転職が一般的になりつつある昨今において出てきたものであって、洗練され確立された概念ではないと考える。例えば、前職のコンサルの典型的にいわれる綺麗なキャリアパスといえば、コンサル⇒MBA投資銀行ファンド、と言われていたが、時代とともに変わっていくわけで、今後の人生をかけてそれを目指せばいいというわけではない(し、そもそも目指して実現できる可能性は低い)。また、結婚、病気、両親の介護など、様々な要因でキャリアパスに関する考えが朝令暮改で変わることは普通であろう。

そのような前提に立ったうえで、どのようにキャリアを歩むべきか、というときにこの計画的偶発性理論は有効である。「計画的」と「偶発性」、二つが並列しているところが肝であり、キャリアパスをガチガチに固定するわけでなく、かと言って何も考えなくて偶発性だけを追い求めてもだめということである。

では、具体的にどのように行動すればよいのか。提唱者のクランボルツ教授が提唱している行動指針は、下記5点である

(1)「好奇心」 ―― たえず新しい学習の機会を模索し続けること
(2)「持続性」 ―― 失敗に屈せず、努力し続けること
(3)「楽観性」 ―― 新しい機会は必ず実現する、可能になるとポジティブに考えること
(4)「柔軟性」 ―― こだわりを捨て、信念、概念、態度、行動を変えること
(5)「冒険心」 ―― 結果が不確実でも、リスクを取って行動を起こすこと 

上記を踏まえつつ、自分なりに少し噛み砕き実際のプロセスに落とし込んでみたものが下記である。

  1. ずもって目の前のことに全力を傾ける
  2. その上で、自分の成したい“錦の御旗”を掲げ続ける(言い続ける)
  3. 外の世界にて自ら出会いの機会を増やす(お手伝いもする)
  4. 機会が来たら逃さずに飛びつく
  5. 1に戻る)

自分は新卒でコンサルファームに入社し、今はなぜか別業界の偉大な大先輩たちとVC(ベンチャーキャピタル)を立ち上げているわけだが、それは具体的にキャリアパスを考えていたわけではなく、はたまた特殊な能力があったわけではなく、上記の5つを行動指針として動いていたら、たまたまいろいろな出会いがあってここにいるだけである。

 これからも自ら計画的偶発性理論を身を以て実践しつつ、他の方にも広く広めていきたいと切に思う。

P.S.
因みに最近、"錦の御旗"として言い続けていることは、「シンガポールで働く」である。何もない国がどうしてあのような発展を遂げたのか、この目で見ながら現地でビジネスをし、そこから我が日本を相対感を以て眺めてみたい。